
退職を決めたときに考えたいのが、いつ退職するのが得なのかです。退職日は会社側ではなく、労働者が決めることができます。今回はお得な退職日や転職が決まってない方へのアドバイスをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
退職日の決め方のポイント

退職日のポイントは、月末に在籍しているかです。会社の社会保険への加入は、月末時点で在籍しているかの有無で決定します。つまり、退職日が月の「末日」か「前日」か1日の違いで社会保険料の負担額や支払い方法が変わってきます。
退職日をパターン別に見てみる
結論から言うと、一般的に末日にはいずれかの会社に所属しておいた方がお得です。具体的に3つのパターンを例にして、メリットやデメリットをご紹介します。
月末より前に退職した場合

10月30日にA社を退職して11月1日にB社に入社するパターンで考えて見ます 。末日の「前日」以前に退職する場合、10月の保険料は全額自己負担です。
保険料が控除されないため、10月の手取りは増えます。しかし社会保険料は折半で会社が半分負担してくれているため、実際は自己負担が増え支払いに行く手間もかかってしまうのです。
11月中にB社に入社した場合、11月の保険料はB社から控除さるため10月の1ヶ月間の保険料を自分で支払うことになります。
月末に退職した場合(おすすめ)

10月31日にA社を退職し、11月中にB社に入社した場合で考えてみましょう。10月の社会保険料はA社から控除され、11月からはB社で控除されるため、自分で支払う必要はありません。
社会保険料は月末に在籍しているかなのでB社への入社月は1日だろうと25日だろうと、月末までに在籍していればB社の社会保険に加入できます。
退職月に別の会社へ入社した場合

末日以前にA社を退職し、末日までにB社に入社した場合を考えてみましょう。まず月末にA社に在籍していないことになるので、A社では保険料が控除されません。
保険料はB社から控除されます。社会保険料は月末に在籍しているかなので、月末までに別の会社に入れば自分で支払う必要はありません。
ただし労働日数が足りず給与から社会保険料が支払いきれない場合、給与がマイナス(給与赤字)になる可能性があるので注意しましょう。
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給与赤字とは?
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給与がマイナスになること、つまりお金を労働者が会社に支払うことです。
厚生年金・健康保険料・住民税などは会社が労働者の給与から天引きすることで、労働者の代わりに税金を納めてくれています。
たとえば1ヶ月間無給の期間があった場合、労働者が納めるべき税金を給与から天引きできず会社が肩代わりする状態になるため、給与がマイナスになります。
退職後の転職先が決まってない場合
もし転職先が決まっていないなら、月末退職がおすすめです。有給を消化してお得に退職する方法や、雇用保険を申請する場合にお得な情報をご紹介します。
有給を消化してお得に退職したいなら

有給を紹介して月末退職したいなら、遅くとも退職日の3か月前には退職意思を伝えましょう。こちらは既に転職先が決まっている方では実行が難しいプランです。
例えば有給を40枚消化しつつ、退職を11月1日付に合わせる方法を考えてみます。月9回休みの会社と想定すると、有給を入れて11月1日付退職にするには9月と10月に合計43回の出勤が必要です。
このような場合9月に3日間だけ出勤し、その後10月末まで40日間の有給を合わせることで合計43日の出勤にすることができます。これで、月末退職です。
雇用保険(失業手当)を申請するなら

退職後に失業手当をもらうなら、退職前の直近6か月間にたくさん働いた方がお得です。なぜなら失業手当でもらえる金額は、退職前直近6か月の賃金日額から算出されるからです。
具体的には、賞与を含まない直近6か月の賃金日額の50%~80%が支給されます。
退職日はいつが得なのか?まとめ
会社の社会保険への加入は、保険料を半分負担してくれる大きなメリットがあります。多くの場合転職しても入社は月初になることが多いため、退職は月末日がおすすめです。
- 月末より前に退職
直近の手取りは増えるが、結局自分で支払いに行く必要がある。 - 月末日に退職
直近の手取りは減るが、不可欠な保険料を会社が支払ってくれる。
最後に、退職の予定はぜひ早めに計画しておいてください。早めに計画することで、有給や雇用保険をより有効に活用できます。