スプレッドシートで標準偏差(Standard Deviation)を求めるSTDEV.P関数の使い方と、分散(Variance)を求めるVAR.P関数の使い方をご紹介します。標準偏差とは何かや、分散との違いについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
標準偏差を求める関数
単に標準偏差を求める場合、STDEV.Pを使うのが一般的です。標本(母集団の一部をサンプルとしたもの)に基づいて標本標準偏差を求める場合は、STDEV.S関数を使用します。
STDEV.P関数の使い方
STDEV.P関数は値または値を含む範囲を母集団全体として、母集団の標準偏差を計算します。範囲に含まれる空白、論理値、文字列は無視されますが、数値の 0 は計算対象です。
例えば STDEV.P(B2:B6) なら、国語の点数の標準偏差 10.613… を返します。
なお関数の候補に表示される STDEVP は、STDEV.P と同じです。
STDEV.P関数の構成要素:(値1, [値2, …])
標準偏差とは?
標準偏差とは「平均値との差の平均」のことで、データが平均値からどれだけ広い範囲に分布しているかを計算したものです。
例えば上図は平均値 75.4 に対する、それぞれのデータの平均値との差を表しています。
これらの差の絶対値を合計してデータ数で割ったものが、標準偏差です。
平均値は AVERAGE(範囲) で求められます。
標準偏差を計算して求める場合は、まずそれぞれの偏差(値と平均値の差)を求めます。
次にべき乗記号[^]を使って、C2^2 のように偏差を2乗します。
偏差の2乗をSUM関数で合計し、データ数で割ることで全二乗の平均値(分散)を求めます。
最後にSQRT関数で全二乗の平均値の平方根(2乗する前の値)を求めることで、標準偏差を算出可能です。SQRT関数は、指定した数値の正の平方根を返します。
SQRT関数の構成要素:(数値)
分散を求める関数
VAR.P関数は値または値を含む範囲を母集団全体として、母集団の標準分散を計算します。
例えば VAR.P(B2:B6) なら、国語の点数の標準分散 112.64 を返します。このとき分散の平方根を求めて元の単位に戻すと、 10.613… になります。
つまり分散と標準偏差は単位が異なるだけで、同じようにデータのバラつきを表しています。
VAR.Pの構成要素:(数値 1,[数値 2],…)